動作中ソフトウェアの一部分変更機構の研究開発


【目的】

 今日、計算機サービスのほとんどはソフトウェアにより実現されている。一方、 計算機利用形態の多様化により、サービス機能の追加や変更および削除が次々に 必要になっている。例えば、ソフトウェアの不具合の改修、新サービス機能の追 加、小型計算機向けの機能縮小、である。現在、これらの処理を行うには、サー ビス提供中の計算機を停止させてソフトウェアを変更する必要がある。しかし、 共同利用の計算機の場合、その停止は影響が大きい。また、個人利用の計算機で も、ソフトウェアのインストール中に他サービスを利用できないのは、不便であ る。そこで、動作中のソフトウェアを変更できれば、計算機の利便性が向上する。 さらに、サービスを提供するソフトウェアの一部分のみを変更できれば、変更に 伴う処理時間を僅かなものにできる。
 本研究では、計算機のサービスを止めることなく、プログラムの実行中に、そ のプログラムの一部分を入れ替える方法を確立する。本方法の特徴は、従来の問 題点を解消し、サービスプログラムが入れ替えの契機を意識する必要がないこと、 および入れ替えられるプログラムの部分が入れ替えない別プログラムを呼び出し ている場合も考慮していること、である。


【現在までの研究状況】

 プロセスとして走行しているプログラムの一部分を変更する方法として、次の 大きな二つの特徴を持つ方法を提案した。一つは、サービスプログラムが、入替 えの契機を意識しなくてよい点である。もう一つは、入替え対象のプログラム部 分が、さらに入替え対象でない別プログラム部分を呼び出している場合にも、プ ログラムの入替えを可能にしている点である。


【代表的な発表論文】