動作内容を考慮したプロセス走行制御法に関する研究(POS Project)
【目的】
プログラムの動作内容に合わせたプロセス実行制御の実現
【基本的な考え方】
- プロセスの動作内容を把握し,プログラム動作内容の知識として保存する
- プログラム動作内容の知識を利用して,プロセスの実行制御法を変更する
【研究状況】
<プロセススケジュール関連>
従来のプロセスのスケジュールは,プロセス実行の以前に得られる利用形態を基にプロセスの実行を制御している.このため,プロセッサの有効利用を妨げ,また,プロセスの処理時間を無用に引き延ばしている場合がある.
そこで,プロセスの過去の実行履歴から将来の動作を予測し,それに応じてスケジュールを変更し,効率的なプロセス動作を行う制御法を提案している.
詳細は,こちらで説明する.
<入出力バッファキャッシュ関連>
入出力処理のバッファキャッシュとして,既存の多くのオペレーティングシステムでは,ブロックの使用状況に着目して管理し制御している.
一方,応用プログラムは,ブロックではなくファイルのレベルで扱う.
そこで,ファイルの使用状況に着目してブロックのバッファキャッシュを制御する方法を提案している.
- ファイルの格納ディレクトリを考慮したバッファキャッシュ制御法(ディレクトリ優先方式)
- 基本方式
- 指定されたディレクトリの直下に格納されたファイル群を構成するブロックを優先してキャッシュ
- バッファキャッシュを分割し,優先するブロックを保護
- 期待される効果
- 複数処理実行時の優先処理への影響抑制可能
- 運用者や利用者が明示的に優先処理を指定可能
- 応用プログラムを修正することなくサービスの優先制御を実現可能
- ファイルの使用頻度に基づくバッファキャッシュ制御法
- 基本方式
- ファイルの情報(参照数,オープン回数,ファイルサイズ)から優先的にキャッシュに保持するファイルを決定
- バッファキャッシュを分割し,優先するファイルを構成するブロックを保護
【主な発表一覧】
プロセスのスケジュール調整についての論文は,こちら.
- “キャッシュヒット率に着目した入出力バッファの分割法の実現と評価,”情報処理学会論文誌, vol.57, no.6, pp.1539-1553 (2016.06).
- “ファイル操作のシステムコール発行頻度に基づくバッファキャッシュ制御法における重要度更新契機の設定法,”情報処理学会論文誌.
vol.56, no.6, pp.1451-1462 (2015.06).
- “ディレクトリ優先方式における効果的な優先ディレクトリ設定法の提案と評価,”電子情報通信学会論文誌D,Vol.J96-D,No.3,pp.506-518 (2013.03).
- “キャッシュヒット率に着目した入出力バッファの自動分割法,”コンピュータシステム・シンポジウム論文集,vol.2011,pp.62-72,(2011.11).
- “キャッシュヒット率に着目した入出力バッファ分割法,”情報処理学会研究報告,vol.2011-OS-118,no.18,電子媒体,(2011.7).
- “優先/非優先処理の実行時間を短縮する入出力バッファ分割法,”コンピュータシステム・シンポジウム論文集,vol.2010,no.13,pp.39-46,(2010.11).
- “優先処理の実行時間を短縮する入出力バッファ分割法,”情報処理学会創立50周年記念(第72回)全国大会 言語処理学会第16回年次大会 大会共通講演論文集,DVD-ROM,(2010.3).
- “ファイル操作のシステムコール発行頻度に基づくバッファキャッシュ制御法の提案,”情報処理学会論文誌:コンピューティングシステム(ACS),vol.3,no.1,pp.50-60,(2010.3).
- “ファイル操作のシステムコール発行頻度に基づくバッファキャッシュ制御法の提案,”コンピュータシステム・シンポジウム論文集,vol.2009,No.13,pp.111-118,(2009.11).
- “ディレクトリ優先方式における保護プールサイズ制限機能とバッファ移動機能の設計,”電子情報通信学会コンピュータシステム(CPSY)研究会,vol.109,No.296,pp.43-48,(2009.11).
- “ファイルの使用頻度に基づくバッファキャッシュ制御法の評価, ”情報処理学会研究報告 2008-EVA-27, vol.2008, no.119, pp.13-18, (2008.12).
- “I/O Buffer Cache Mechanism Based on the Frequency of File Usage, ”Proc. the 2008 International Conference on Convergence and Hybrid Information Technology(ICCIT 08), vol.2, pp.76-82, (2008.11).
- “ファイルの使用頻度に基づくバッファキャッシュ制御法の評価, ”JSASS2008ポスト・プロシーディング, vol.2, no.1, pp.11-24, (2008.11).
- “ファイルの格納ディレクトリを考慮したバッファキャッシュ制御法の機能拡充, ”平成20年度電気・情報関連学会中国支部第59回連合大会講演論文集, pp.530-531, (2008.10).
- “ファイルの使用頻度に基づくバッファキャッシュ制御法, ”情報処理学会研究報告 2008-OS-108, vol.2008, no.35, pp.115-122, (2008.04).
- “ファイルの使用頻度に基づくバッファキャッシュ制御法の提案, ”情報処理学会第70回全国大会講演論文集(分冊1), pp.35-36, (2008.03).
- “ファイルの格納ディレクトリを考慮したバッファキャッシュ制御法の実現と評価,”電子情報通信学会論文誌,vol.J91-D,no.2,pp.435-448,(2008.01).
- “ホームページの構成ファイルを優先的にバッファキャッシュに保持する制御法の評価,”情報処理学会研究報告 2007-OS-106,vol.2007,no.83,pp.95-102,(2007).
- “ファイルの格納ディレクトリを考慮したバッファキャッシュ制御法,”コンピュータシステム・シンポジウム論文集,vol.2006,no.14,pp.53-62,(2006).
Taniguchi Lab & Yamauchi(Tabata) Lab